1972 年の創業以来、「食を通じて人を幸せにすること」を経営ビジョンとし、「おいしさ、安全、健康」を大切にした商品を「真心と笑顔のサービス」とともに提供することに一貫して取り組んできたモスフードサービス。日本の食文化を生かし、日本人の味覚を重視したハンバーガーを提供するというコンセプトが支持され、現在では直営店ならびに海外店舗、グループ諸業態を合わせて1,735店舗* の規模にまで成長しています。日本の食文化に寄り添い成長を続ける上で欠かせない高度な品質管理体制を追求する中で商流・物流の各部門で最適システムを創り上げてきましたが、食の安全・安心へのさらなるコミットメントを果たすべく、2015 年より生産・配送・販売の全システムを統合し、SCM の最適化を推進しています。　特に膨大な実績データに基づく在庫シミュレーションは、より高精度な在庫管理・ロジスティクスコントロールを実現するための情報基盤として導入効果が期待されています。*2017 年5 月31 日現在

モスフードサービスのチェーン本部では、商品の企画開発を行い、それに基づいて必要な食材をメーカーから直接仕入れて店舗に供給するというサプライヤー機能を担っています。食材を全国の店舗に配送するため13か所の配送センターを設け、いずれも外部物流会社の倉庫で庫内オペレー
ションも外部委託しています。物流拠点に食材が搬入された後の管理―センターでの在庫管理や店舗配送など―についてはモスフードサービスの商品本部が管掌しています。
もともとモスフードサービスには、【GENESIS】という販売管理の基幹システムがありましたが、この在庫管理の精度を高めるため、店舗や仕入れ先と連携をとりながら、ITの活用によるサプライチェーンマネジメントを推進してきました。1999年、シーネットのWMSパッケージをカスタマイズした【Mariana】を導入、これを契機に賞味期限による一元管理を目的として全センターの倉庫管理システムを統一すること
ができました。
この一元管理の実現により、在庫の偏在やセンター間での無駄な移送も削減することができ、取扱品目の増加にもかかわらずコストアップを抑えることができました。

2015年3月にはWMSをクラウドサービスに移行し、関係者全員が在庫に関わる情報をリアルタイムに把握できる体制を確立。基幹業務システムと倉庫管理システム間の情報のつなぎ込みで費やされていた膨大な工数と通信を大幅に削減することができました。また、設備投資の面からもASP方式であればそれぞれの配送センターにサーバを設置することなく、メンテナンス費用もかからないため業務委託先の物流会社にもコストメリットを供与することができました。

係者全員が在庫に関わる情報をリアルタイムに把握できる体その一方で仕入先との情報連携により、期間商品などの調達を含めたサプライチェーンの効率化も推進してきました。
2002年４月には、食材メーカーとの情報共有を目的とするWeb-EDIシステム【MOS-Nile】を稼働。モスフードサービスの販売情報・販売予測情報・在庫実績をメーカーに提供することにより計画生産を促すとともに、メーカーからも生産予定・生産確定情報を開示、過剰在庫や品切れを起こすことなく食材を安定供給できる体制を追求しています。