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【概要】
SBS ロジコム株式会社は、1940 年に創業し、SBS グループの主要企業として物流センター運営や倉庫サービスを提供しています。
今回、シーネットのカメラシステムを導入いただいた「NRC 支店」は、1978 年に音楽映像のパッケージソフトの取り扱いをスタートし、CD ミリオンセラーのブーム期を支えた拠点です。現在、音楽映像関連の業務はNRC 支店に一本化され、保管から発送まで幅広く担当しています。

SBS ロジコム様では、出荷後のお問い合わせに対して、お客様に客観的な事実の提出ができないことに課題を感じており、『作業映像一発検索システムGAZOQS』と『クラウド型監視カメラGAZOCL』を導入しました。

導入後は、映像を通じて自社の作業品質の高さが証明され、荷主様から高い評価をいただいている他、お問い合わせ対応時間が90% 以上短縮され、スタッフの負担軽減や作業効率化が実現されたとお喜びいただいております。今回、詳しくお話しを伺いましたのでご紹介します。

梱包作業の様子

Q：今回、映像一発検索ソリューションをご導入いただいたきっかけを教えてください。

NRC支店では、音楽映像ソフトを取り扱っています。具体的には、メーカー直販サイトを通じてCDやDVDを購入されると、カードやポスターなどのオリジナル特典がついてくるといったもので、我々はそれらを同梱して発送を行っています。
最近では、特典の出荷量・付加価値が高まり、特典の欠損や入れ忘れを防ぐために、二重三重のチェック体制を確立していますが、それでも毎月10～20件ほどお問い合わせが寄せられます。

お問い合わせがあると、お客様の伝票番号をもとに作業記録を検索し、確認を行い、報告を行います。
原因調査には30分～1時間ほどかかりますが、作業記録を見ても「レ点が入っています。作業者の名前も記載されていますので、ちゃんと入れてはず…」といった信憑性の低い情報しかフィードバックできないもどかしさがありました。
結果として、お客様には不足分を補償し、我々の評価としては、「出荷ミス1件」としての記録が残り、納得性に欠けることが課題となっていました。

我々としては、二重三重にチェック体制を敷いてしっかりやってる自負がありますし、作業スタッフも、「ちゃんとやってるのに、どうして…」と納得がいかないことも多くありました。

そこで、我々の一連の作業を記録に残して、曖昧な情報ではなく事実として確認できる方法はないか調べたところ、『GAZOQS』のようなカメラを使った検索システムがあることを知りました。

Q：シーネットでカメラシステムを取り扱っていることはご存じでしたか？
シーネットさんには、ＷＭＳでお世話になっていますが、それとはまったく関係なく、インターネットで検索をしたところ偶然シーネットのHPがヒットしたというのがはじまりです。

Q：シーネットのシステムを選定した理由はなんでしたか？
最終的には、クラウドであること、機能性能・コストを総合的に評価して、シーネットさんにお願いすることにしました。

まずは、機能コストで4社を比較検討して、最終的には2社に絞りました。
この2社においては、性能に大きな違いは見受けられませんでしたが、ソリューションの形態がオンプレミス かクラウドかという点、そして検索性に違いがありましたので、どちらが弊社に合っているのかは議論を重ねました。

コスト面での3年間の総額比較では、オンプレミス型のほうが安かったのですが、我々は50台程度を長期的に利用することを前提に考えていましたので、今後のシステムの拡張性やサーバ入替えなど保守管理の面を考慮すると、クラウドにメリットがありました。

検索性については、当初のシーネットのシステムでは商品名や商品コードでの検索ができなかったのですが、要望に応じて後日機能追加をしていただきました。今ではその機能が標準となっていることを知り、シーネットさんの迅速な対応や柔軟性に改めて感謝しています。

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Q： 導入に際して、苦労した点やこだわった点があれば教えてください。

①架台を作成し、導入初期費用をおさえた
工夫した点としては、カメラの固定に必要な架台を新たに作成したことです。
シーネットさんの提供する架台も魅力的でしたが、我々の必要な台数に合わせて考えると、予算的に厳しくなりそうでしたので、物流機器の部品を扱っている商社さんに相談し、必要なパーツのカットや組み立てをお願いしました。

これがなかなかよい仕上がりで、カメラが自然に配置され、作業員にも違和感なく受け入れてもらえましたし、市販の架台より安く抑えることができました。


作成した架台

②作業工程の変更を行い、効率化を実現
またカメラ導入にあたり、作業の効率向上を目指して、作業工程を大きく変更しました。
以前は、300件を1バッチとしてピッキングを完了させ、すべての商品が整った後に梱包作業を開始していました。もし、特典が1枚残っている場合は、対象のものを再確認しながら梱包を行っていました。

しかし、導入後は、300件のピッキングが完了する前に梱包を進めるように変更しました。もし何らかの異常が発生した場合、後から映像でその確認ができます。
作業工程のステップを減らすことで、余分な待機時間もなくなり効率化が実現できると考えました。

この目論見があたり、実際10%程度作業を効率化することができました。

Q： スタッフさんの作業に変化はありましたか？
作業スタッフが直接的に何かを操作するわけではありませんので、作業自体は変わりませんが、若干カメラに映りやすいように工夫をしてもらっています。

これまでの検品はバーコードを読むだけでしたが、カメラを導入後は、正しい商品かどうかをわかりやすいようにカメラに映りやすいようにしてもらっています。
例えば初回限定盤ＡとＢのように裏面の絵柄が同じ場合、バーコード面だけを撮影しても映像上では判断が難しいですよね。
そこで、裏面を確認してから表面も映すという、検品の仕方に変更しました。

この変更により、類似品であっても、映像を基に正確に検証することができるようになりました。

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Q： カメラシステムを導入してどのような効果がありましたか？
今回『作業映像一発検索システムGAZOQS』が44台、「クラウド監視カメラGAZOCL」を2台導入しました。
GAZOQSでは検品梱包における一連の作業の手元を撮影し、GAZOCLでは前工程の作業を撮影しています。これにより、異常が発生した場合の原因特定が迅速に行えるようになりましたが、それ以外にも様々なメリットがありました。

①作業品質の証明。ミス発生率は３PPM。荷主様の評価とスタッフのモチベーションが向上
導入の最大のメリットは、映像により我々の作業品質が証明され、メーカーさんに高く評価されたことです。
私たちが心配していたのは、もし問い合わせのほとんどが我々のミスだったとしたら…という点でした。

先日の集計では、対象商品に関する93件のお問い合わせがあり、その中で2件が我々のミスであることが判明しました。残りはお客様の勘違いでした。
出荷対象個数が約60万件ある中、導入前のミス発生率は60万分件中の93件で150PPMという数字でしたが、導入後は60万分件中の2件で３PPMとなりパーセンテージでいえば0.0003％となります。非常に良い結果で、作業の品質の高さが評価されました。

お客様も映像で作業を確認できることから、「SBSさんさすがだね！丁寧な作業をしているね」といった信頼を寄せてくださり、これが最も良かった点です。この結果により、スタッフのモチベーションも一段と高まりました。


「GAZOQS」　実際の映像

②カメラシステムに期待をし、梱包検品作業の工程変更！約10%作業効率化
先ほど述べた内容と一部重複いたしますが、以前はピッキングが完了してから梱包を始めていましたが、GAZOQSがあれば、異常があっても後から映像で確認ができますので、ピッキングが完了する前に梱包を進めることにしました。
また、品質が確認できたことで過剰なチェック工程を無くして作業工数が減ったことと、無駄な待機時間がなくなったことで、約10%作業効率が向上しました。

③お問合せ対応時間が90%以上短縮
また、お問合せにかかる1件当たりの対応時間が、90%以上短縮されました。
以前は、お問合せがあると、紙の作業記録を探し出し、情報を荷主様にご報告をするのに1~2人で1時間ほどかかっていました。
現在は、システムで検索をすれば対象の映像がヒットしてすぐに確認できるので、1件当たり2~3分で確認することができるようになりました。
これが月20件ありますので、スタッフの作業負荷もだいぶ軽減されました。

④再送コストが０に！
さらには、荷主様は映像による結果を重視してくださっているので、再送コストの負担が0になりました。

従来は、お問合せのあった消費者様に不足分を再送するコストがかかっていましたが、現在は、映像で不足がないと確認できたケースについては、ご報告したその時点で対応終了、再送はお断りする形になりました。

⑤ミスの分析改善により作業精度向上
作業品質の高さが証明された一方で、93件中2件が自社ミスであることがわかりましたので、その原因分析と改善策の検討をしました。

例えば、あるケースでは、同じ商品を15枚検品していましたが、途中で離席し、戻ってきてから作業を再び開始。この際、どこまで検品が進んでいたかが不明なまま作業を終了し、結果として1枚不足が発生しました。

別のケースでは、ピッキングミスにより商品不足で出荷してしまいましたが、通常なら検品で発見できるはずが、その日は通常フルタイムで働いているスタッフさんが早退する日でした。映像のタイムスタンプを確認すると、退勤予定を少し過ぎた時間に急いで検品が行われたことがわかりました。

こういった具体的なケースから、イレギュラーな動作があってミスが起こることがわかりました。人間としての焦りやルールの重要性を改めて認識しましたので、それ以降は、終業時間の5分前には作業を終了し、余裕を持った作業を心掛けています。

また改善策を検討する際、決め打ちの対策ではなくスタッフにも実際の映像を見てもらい納得してもらっています。ミスを責めているわけではありません。言葉で説得する以上に理解してもらえ、1人1人の意識改革につなげることができました。

⑥梱包台に初心者マーク！新人スタッフへの適切な指導が可能に！
GAZOQSは、カメラで手元を写して事務所にあるモニターで確認することができますので、教育にも活用しています。

作業教育では、何十人ものスタッフに商品の梱包方法や注意事項などを説明しますが、一度の説明では全員が同じ理解を得るのは難しく、特に作業が切り替わる瞬間や新しいスタッフが参加する場面では注意が必要です。

管理者が全員を均等に見ることは難しいので、現在新人スタッフの作業台には『初心者マーク』をつけてカメラの右端に映るようにしました。
これにより新人スタッフの作業を重点的に見ることができますし、理解が不足している方に素早く適切に指導できるようになりました。

総じて、今回のカメラシステムは、作業の品質向上や効率化だけでなく、お客様との信頼関係の強化やスタッフの教育にいたるまで、多方面に活躍しています。
このような結果を受け、先日カメラを追加しました。

Q： カメラ追加の背景を教えてください。
CDパッケージは総量では下がっていますが、我々がやっているBtoCに関してはおかげさまで毎年120%ほど伸びています。
ただし、それを見越して最初から多く入れるのではなく、効果を見てから増やしていこうと考えていましたので、今回想定以上の効果が出た段階で追加を決定しました。

Q： 今後システムを通じてどのようなことを実現したいですか？
現在、カメラシステムを使っている事業は、我々の業務の一部で、全体の40～45％ほどです。
今回いい事例もできましたので、まずこの建屋の中でも展開できると思いますし、他の支店でも使ってもらいたいと思います。
すべての作業にカメラを導入するのは難しいですが、波動が大きい時にはカバーできることが理想です。システムの拡張性を生かして、より使いやすく手軽になるように期待しています。

Q： SBSロジコム様が目指す、今後の展望について教えてください。
我々の作業現場にはまだ無駄が多く、例えばカメラに映すために特典に全てバーコードシールを貼るなど、改善の余地があります。
作業効率向上は永遠の課題ではありますが、AI時代が到来し、近い将来、画像解析を利用した検品なども期待できると思っています。
こういった人的負荷を軽減できるようなシステムには積極的な投資を検討したいと考えておりますので引き続きよろしくお願いいたします。

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